なんとなく〜part2〜


本日、ただいまの美貴は激しく不機嫌です。
何せ睡眠時間が3時間、そして今も仕事中というか待機中で楽屋にいる。

娘。に入ってからソロの時よりは忙しくなって、
おかげで大大大好きな睡眠時間が減って不機嫌です。
しかも今回はほんっとーに眠い、眠くても平気なときもあるけど、今日は平気じゃない。
多分、溜まりに溜まった鬱憤が今、来たんだと思う…。

イライラするぅ〜、だけどあんまりそれを顔に出さないように、頑張って平常を保ってるつもり。
なのに…やっぱちょっと怖い顔をしているのか、先程から…

「藤本…、ちょっと怖いよ」
「藤本さん…、機嫌悪いんですか…?」
「み、みきてぃ?私何もしてないよね?…ね?そうだよね?」

……みたいなことを言っていく。
つまり、結局は平常を保ってるつもりでも、バッチシ顔には出てるみたいで…。
はぁ…、だめだこりゃ。

収録には影響を出したくないからどうにかして顔を戻したい…。
そのためには、美貴の機嫌が良くなるようなことをしないといけないね!!
―――ってわけで寝ます!数分でも寝る。こうすれば多分直るはず。



おやすみなさぁ〜い…

そう心ので言って、目を瞑って眠りに入った。




「―――たぁああん!」
「こら、起きろぉ〜!たんたんたん!」

むぅ?誰ですか?
たん、たん、たんって。
ん…?『たん』??
たんって呼ぶのって、えっと確かぁ…

「美貴たぁん!…こらぁ、折角会いに来たんだから起きろぉー!」
「―――亜弥ちゃんッ?!」

ガバッっと勢いよく起きると、美貴の予想通り…。
目の前に亜弥ちゃんが居て。

あれ?えっと…?
なんで?なんで亜弥ちゃんがいるの??
そりゃ嬉しいけど…、え?

「起きた〜。久しぶりぃー美貴たん!」

ガバッっと。
本当にそんな勢いで亜弥ちゃんが美貴に抱き付いてきた。
思わずギュッっと抱きしめ返してしまう美貴…。

あ…、亜弥ちゃんの匂いだぁ。
―――なんか、急に居たからビックリしたけど、もうなんか亜弥ちゃんに久し振りにあったらどうでもよくなってしまった。

「ん〜〜、ひさすぃぶりぃー」
「あははっ!ひさすぃぶりだって(笑)」
「んぅ?変…?」
「ん〜ん?変じゃないよぉ。」
「…そっ?」
「そーっ!」
「「はははっ」」

おでことおでこをくっ付けて、こんなもうキスしちゃうんじゃないかって距離で話すのも久し振り。
最近はメールと電話ぐらいだったもんね。




◇◇

暫く亜弥ちゃんとくだらない話をしていた。
まだまだこの時間が続くと思っていたら―――


「ん〜〜〜、もっとたんと居たいけどぉ、そろそろ時間だから…」
「短ぁー」
「短いけどぉ〜、でもぉお〜。」
「ん、わかってるって。仕事行ってらっしゃい。」
「えへへ。うん!行って来るねー!少しだけでも美貴たんを感じれて良かったよん♪」
「…ばぁーか。」
「ヘヘッ。じゃね〜!」

――バタンッ

「…行っちゃった。」

何かちょっと寂しいかも…。
突然現れて、突然居なくなっていった…。
何か急だったけど…、ん?そもそもなんで……なんで?

―――本当になんで亜弥ちゃん急に…?

頭の上ではてなマークが飛び散る中。

「よぉ〜っす!ふじもってぃー」
「あっ、矢口さん」
「どうよ?」
「へ?何がです?」

どうよって?主語言ってくださいよ?
なんですか?
亜弥ちゃんのことで考えていた思考が、瞬時にして矢口さんに移った。

「わかってないんだな〜。以外に…。」
「へッ――?何がですか?本当に…」
「こりゃぁ…、あややも大変だなぁ…。」

ハイ??亜弥ちゃん?
なんで亜弥ちゃんが出てくるんですか?矢口さん…
もう、わけわかんないですよ!!

「まぁ、いっか。取り合えずそろそろ収録だよ。」
「あ、はい。」

もう時間か〜。
何か話逸らされた気もするけど…、仕事はしないとね。

「んじゃ行きましょう!矢口さん。」
「んむ。」

亜弥ちゃんに貰ったパワーで頑張って来ますか〜。
それでは行ってきまーす!






「……あややも大変だなぁ。」

美貴に気付かれないぐらいに…、小さく呟く矢口が居たとさ…。




―――…終われ。